「イケドラ」——それは、イケてるドライバー。
スピードを出しているわけでもない。
無理な追い越しをするわけでもない。
それなのに、なぜか周りがスムーズに流れていく——
そんな運転をする人がいます。
私は、そういうドライバーを
「イケドラ(イケてるドライバー)」と呼ぶことにしました。
「止まり方」「曲がり方」「譲り方」など、
そのひとつひとつに“余裕”がにじみ出ています。
この記事では、「こんな運転ができたらイケドラだな」と感じるポイントを、
現場でよく見る具体例を交えながら紹介していきます。
ひとつでも「これなら真似できそう」「なるほど、イケてる」と
思ってもらえたら十分です。
運転が、ほんの少しだけ気持ちよくなる。そんなヒントになればうれしいです。
イケドラは、止まり方が違う

イケドラの運転は、発進よりも止まり方に差が出ます。
カックンと強く止まらない
ブレーキを踏んだ瞬間に「カックン」と前のめりになるような止まり方——
イケてるドライバーは、そんな止まり方をしません。
ちょうどいい減速加減があります。
この止まり方は、同乗者に優しいだけでなく、後続車にも優しい。
後ろの車が無駄にブレーキを踏まされず、全体の流れも乱れません。
つまり、周りの動きを読んで、先を見据えてブレーキ操作ができるかどうか。
止まる直前のわずか数秒に、イケてる余裕が表れます。
・停止線の手前で止まる
イケてるドライバーは、停止線ギリギリまで詰めません。
少し手前で止まることを、いつも意識しています。
たとえば、大型車やトレーラーが交差点で右左折するとき。
停止線を守って止まっていても、曲がるのがきつい場面はよくあります。
そんなとき、停止線の手前で止まってくれている車が一台あるだけで、
大型車は無理にハンドルを切らずにスムーズに抜けられます。
結果として、交差点全体の流れが良くなる。
イケドラは「自分が正しい位置にいるか」だけでなく、
状況に応じて、まわりへの小さな配慮ができるドライバーです。
一定の速度がイケてる

イケてるドライバーは、速く走ろうとしません。
一定の速度で走ることを大切にしています。
高速道路でも一般道でも、速度が安定している車の後ろは、正直かなりラクです。
無駄にブレーキを踏む必要がなく、アクセルを踏み直す回数も減ります。
この「ラクさ」は後続車だけの話ではありません。
一定の速度で流れる車が増えるほど、車列全体の動きが穏やかになり、
結果として、渋滞も起きにくくなるのです。
急に速くなったり、急に遅くなったりしない。
それだけで、周囲のドライバーは次の動きを予測しやすくなる。
イケドラは、自分の車を目立たせない走り方を選びます。
周りに配慮できるドライバーほど、走りが安定している。
そんなドライバーを見ると、思わず「イケてるなぁ」と感じます。
(おまけですが)
一定の速度で走ると、燃費も自然と良くなります。
無理をしないイケてる走りは、車にも財布にも優しい、そんな運転です。
煽りハンドルはイケてない

「煽りハンドル」とは、
交差点で右左折するときに、曲がる方向とは逆に一度ふくらんでから曲がること。
余裕で曲がれるのに、わざわざ外へ膨らんでくる——
実はこの動き、けっこう危険です。
突然寄ってくる動きに、周囲はヒヤッとします。
大型車の場合、内輪差があるので、ある程度膨らむのは分かります
ですが、それを差し引いても必要以上のふくらみは、周囲に圧迫感や恐怖を与えます。
特に怖いのが、乗用車が車線を超えて膨らむケース。
周りを見ていない「イケてない」運転です。
大型車は、車線ギリギリで走っている場面も多く、
そこへ寄られるとかなり危険。
運転席から見ている景色は、想像以上にシビアです。
一方、イケてるドライバーの右左折は、周囲に恐怖を与えません。
ハンドル操作が静かな人ほど、運転に余裕がある。
それだけで、もう十分イケてるものです。
車間距離は「広さ」じゃなく「流れ」で決まる

車間距離の話は、正直むずかしいものです。
「ちょうどいい距離」は、人によっても、状況によっても違います。
イケてるドライバーは、距離そのものより流れを見ています。
よく言われる「0102(ゼロ・イチ・ゼロ・ニ)運動」も有効です。
でも、現場では数字や型にこだわりすぎると、逆に流れを止めてしまうことがあります。
空けすぎれば、割り込まれる。
詰めすぎれば、危険になる。
どちらも、周囲を疲れさせます。
イケドラが取るのは、前後どちらにも違和感を与えない距離。
ブレーキランプが頻繁に点かない。
後ろの車が、無駄に構えなくていい。
そんな距離感を、その場その場で微調整しています。
「ここは流れているな」
「ここは詰まりそうだな」そう感じたら、静かに距離を変える。
イケてるドライバーは、車間距離を固定しません。
流れに合わせて、静かに調整する。
それが、上手くイケてる理由です。
譲り方がイケてる

イケてるドライバーは、心に余裕があります。
だからこそ、よく譲ります。
でも、どこでも譲るわけではありません。
イケてる譲り方とは——流れを止めない、スムーズな譲り方。
相手に「どうぞ」の意思が伝わり、迷わず動ける。
後続車も「今、譲ってるな」と一目で分かる。
そんな、分かりやすく伝わる譲り方をします。
一番よくないのは、止まるのか行くのか分からない譲り方。
中途半端に減速して、相手も後続も戸惑わせてしまう。
結果として、流れが悪くなります。
イケドラは、譲ると決めたら迷いません。
早めに減速し、「どうぞ」のサインを明確に出す。
一方で、危険な場面では譲らない判断もします。
歩行者の多い場所や、すり抜けてくるバイクがいる状況。
無理に止まることが、かえって事故につながる場合もあります。
「ここは譲る場面ではない」と判断したら、スッと通過する。
それもまた、イケてる運転です。
イケドラの譲り方は、優しさの押し付けではなく、状況判断。
周囲全体が安全でスムーズになる選択をします。
そんなドライバーを見ると、自然と「この人、イケてるなぁ」と思うものです。
障害物があっても、流れを止めない位置取り

路肩に駐車車両がある道、意外と多いですよね。
イラストのような状況で、対向車がほんの少しだけ外側に寄ってくれると、
お互い減速することなくスッとすれ違えます。
「障害物がある → 対向車がいる → このままだと通れない → でも、少し左に寄ればお互い通れる」
このイメージに気づけるかどうかで、交通の流れが変わってきます。
ところが、対向車が道の真ん中寄りをそのまま走ってくると、
こちらは待つしかありません。
結果として流れが止まり、後ろの車にも影響が出ます、イケてません。
イケてるドライバー(イケドラ)は、自分の進路だけを見ていません。
相手の動きと、その先の流れまで一緒に見ています。
・無理をしない
・危なくない
・でも、流れを止めない
このバランスを、その場でサッと取る。
だから、イケドラの避け方は静かで分かりやすい。
相手も迷わず通行できて、流れも途切れません。
止まることだけが優しさとは限りません。
少し位置をずらすだけで、道路全体がスムーズになることもあります。
こういう判断が自然にできる人は、やっぱり運転がうまい。
そして、イケてます。
まとめ

イケドラの運転に、決まった正解はありません。
大切なのは、マニュアル通りかどうかではなく、
その場で一番スムーズで安全な選択ができるかです。
止まり方・速度の保ち方・ハンドルの切り方・車間距離・譲り方・位置取り
これらひとつひとつに、「余裕」がにじみ出ています。
イケドラは、自分だけが気持ちよく走ることを優先しません。
周りの動きが楽になるよう、さりげなく配慮します。
だからこそ、
後ろにいる車、対向車、同乗者から
「なんか、この人の運転いいな」そう思われるのです。
普段の運転で、ひとつだけ意識してみる。
それだけで、あなたの運転は、きっとイケてきます。


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