「これって違反じゃないでしょ?」と思ってやっている行為が、実はしっかり違反になるケースがあります。
思い込みや誤解が、事故や取り締まりにつながることも。
今回は、特に誤解が多い“やりがちな交通違反”を4つ紹介します。
合流や車線変更でウインカーを出しているのに入れさせない

高速道路の合流や車線変更で、前方の車がウインカーを出して入ろうとしているのに、
後ろの車がスピードを上げて妨害する行為。
「先に行きたい」「割り込まれるのが嫌」という気持ちからやりがちですが、
これは「進路変更禁止違反」や「安全運転義務違反」にあたり、取り締まり対象です。
特に悪質と判断されれば「妨害運転(あおり運転)」に該当することもあり、その場合は 3年以下の懲役または50万円以下の罰金、違反点数25点、免許取消し という非常に重い処分になります。
合流妨害は事故に直結する危険な行為であり、車間距離を取って譲り合うのが本来のルール。
わずかな譲り合いが事故防止につながります。
- 進路変更禁止違反:普通車6,000円・大型車7,000円/違反点数1点
- 安全運転義務違反:普通車9,000円・大型車12,000円/違反点数2点
右折矢印で直進する車

交差点で右折矢印が出ているときに、直進してしまう車を見かけたことはありませんか?
「直進優先だから大丈夫」と思っている人も多いですが、これは完全な誤解です。
矢印信号は「指示された方向にだけ進行できるもの」。右折矢印だけが点灯しているときは直進禁止であり、直進すれば 信号無視 になります。
信号無視は違反点数2点、反則金は普通車9,000円・大型車12,000円と重いペナルティです。
さらに万が一事故を起こした場合でも、直進車が「信号無視」と扱われるため、
過失割合も直進車が不利になります。
思い込みで運転せず、矢印信号をしっかり確認することが大切です。
歩行者妨害(信号機のない横断歩道)

信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしている場合、車には一時停止義務があります。
しかし実際には、多くの車が止まらずに通過してしまうのが現状です。
歩行者妨害の罰則は違反点数2点、反則金は普通車9,000円・大型車12,000円。
歩行者を守るため、警察も重点的に取り締まりを強化している代表的な違反の一つです。
「歩行者が渡るかどうか分からなかった」と言い訳するドライバーもいますが、
歩行者が横断歩道の前に立っているだけで一時停止が必要です。
また、「自転車はどうなの?」という疑問もよくあります。
結論は、自転車から降りていれば歩行者と同じ扱いで一時停止義務あり、
乗ったままなら軽車両扱いで一時停止義務なし となります。
イヤホンをしながらの運転

イヤホンをしたままの運転は「安全運転義務違反」に該当する可能性があります。
道路交通法では、安全運転に必要な音が聞こえない状態での運転を禁止しており、
大音量でのイヤホン使用は違反になります。
「片耳ならセーフ」と考える人もいますが、イヤホンによって周囲の音が聞こえにくくなれば違反にあたる場合があります。
クラクションや緊急車両のサイレンに気づけなければ、大事故につながりかねません。
地域によっては条例で明確に禁止されているケースもあります。
主な罰則は以下の通りです。
車種 | 反則金 | 違反点数 |
普通車 | 6,000円 | 2点 |
大型車 | 7,000円 | 2点 |
※ケースによっては「危険性が高い」と判断され、金額が9,000円(普通車)、12,000円(大型車)になることもあります。
音楽や通話は車のスピーカーやハンズフリー機能を利用し、安全を損なわない方法を選びましょう。
まとめ
「直進は優先」「片耳ならセーフ」「歩行者が渡らなければ止まらなくてもいい」
…こうした思い込みが、重大な違反や事故を招きます。
正しい知識を持ち、余裕のある運転を心がけることが、安全にもマナーにもつながります。
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