免許を取って実際に道路を走ってみると、教習所では習わない
“暗黙のルール”があることに気づきます。
第一弾の記事では6つの暗黙ルールを紹介しましたが、
走っていると「まだまだ他にもあるな」と感じます。
「これって法律で決まってるわけじゃないけど、現場では自然と守られている」
「自分もやってるし、周りの運転手もよくやってる」
そんな、トラック運転手ならではの暗黙のルールを、
今回は第二弾として4つ紹介します!
右折車を譲る判断
交差点などで右折しようとしている車がいるとき、「パッシング」して譲ってあげるかどうか
――これは運転手によって判断が分かれるところです。
トラック運転手が譲る場面の多くは「後ろが渋滞してしまっているとき」
つまり、その右折車両のせいで後続車が通れず、流れが滞っているとき…
運転手としては交通の流れをスムーズにしたいので、できれば譲りたいと思っています。
ただ、何もない状況でむやみに譲ってしまうと
「サンキュー事故」の危険があります。
これは、譲られた車が安心して進んだ結果…
横断歩行者や自転車に気づかず接触してしまう事故のこと。
私自身もそれを避けたいので、
基本的に「パッシングして無理には譲らない」ようにしています。
ではどうするかというと――「余裕をもって右折できる間隔を空けてみる」
それでも右折しないのなら……そのまま通過します😅
善意のつもりが事故を招くこともある。
これもまた、トラック運転手が経験から学んだ暗黙の判断なのです。
夜間ライトの使い方

2017年3月の道路交通法改正により、夜間の走行については
「原則としてハイビームを基本に、対向車や前方車がいる場合はロービームに切り替える」
という考え方が示されています。
ただ、実際に現場を走っていると……
ロービームだけで十分明るい場面も多くあります。
私自身もあまり頻繁には切り替えていません😓
理由は、最近のライトは明るい事と大型トラックのライトは普通車より高い位置にあるため、
ロービームでも相手にとっては十分まぶしく感じられるからです。
さらにハイビームにすると、切り替え忘れで相手を強く照らしてしまう危険もあります。
もしこれが「減光等義務違反」と判断されれば、
違反点数1点、反則金は普通車6,000円・大型車7,000円となります😱
そうした事情から、実際には「ロービームで走ることの方が安心」
という感覚を持つ運転手も少なくありません。
教習所では習わなかったことですが…
現場では「相手に迷惑をかけないようロービームを選ぶ」
これもまた一つの暗黙ルールだと感じています😊
雨の日の車間距離はしっかり取る

雨の日の運転は視界が悪くなり、路面も滑りやすくなります。
特に大型トラックは水しぶきの巻き上げが大きいため、
後続車にとっても走りにくい状況になりがちです。
そこで大切なのが、普段以上に車間距離を取ること。
事故を回避するための基本中の基本は…
やはり車間距離をしっかり確保することです。
私自身も雨の日は、意識していつもより距離を空けるようにしています。
ところが意識しないと、慣れから普段と同じ感覚で車間を詰めてしまうことも…
「車間を空けるのは当たり前」と思われるかもしれませんが、
実際には雨の日にそこまで意識できている運転手は意外と少ないものです。
だからこそ、これもまたトラック運転手ならではの暗黙のルールだと感じています。
煽られたときの対応

どんなに安全運転を心がけていても、煽ってくる車はいます。
「制限速度で走っているのに、なぜ?」と思うこともありますが、
相手に合わせてスピードを上げれば、今度はこちらが違反になってしまいます。
私が意識しているのは、ルールを守ったうえで冷静に対応すること。
譲れる場所なら早めに譲る、譲れないならミラーで相手を確認しつつ落ち着いて走る。
「煽られているな…」と感じても、挑発に乗らないことが一番の安全策です。
正直、煽られるのは気分のいいものではありません。
譲っただけで「負けたような感覚」になり、モヤモヤすることもあります。
でも「交通ルールを守っているのだから大丈夫」と割り切るようにしています。
この“割り切り”こそ、煽られたときにトラック運転手が経験から身につけた
「暗黙のルール」だと思っています。
まとめ
今回紹介した4つの暗黙のルールは、法律で決まっているわけではありません。
それでも、トラック運転手として毎日走っていると、「これは守らないと危ない」
「やっておいた方が気持ちよく走れる」と感じる場面がたくさんあります。
右折車を譲るかどうかの判断、夜間ライトの使い方、
雨の日の車間距離、そして煽られたときの対応――。
どれも教習所では教わらないけれど、現場で自然と身についていく“運転の知恵”です。
運転は正解がひとつではなく、状況や周囲の車によって判断が変わるもの。
だからこそ、こうした「暗黙のルール」を意識することで、
安全でスムーズな走りにつながると思います😊
コメント